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一期一会を感じる瞬間

今日は会社を半休し、浅草駅で友人Iと待ち合わせ。
浅草名物のどらやき屋「亀十」へ立ち寄り、「十和田」で遅いランチ。
「蕎麦屋で昼酒」をやってみたかった私達。
日本酒の〆に蕎麦ってやっぱり合うねーいいねー。

そして本日の目的。
平成中村座の「法界坊」を観劇するため、浅草寺境内へ向かう。
ちょうどこの日は浅草のお祭りで、浅草寺にお参りした後、
屋台で熱燗の誘惑に捕まったりしながらようやく劇場にたどり着く。
仲見世のいたる所に貼られていた「法界坊」のポスター。
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アラーキー撮影。歌舞いてます。

仮設の劇場はこんな感じ。劇場というより、まさに芝居小屋。
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観劇前にまずはトイレに向かうと、女性トイレはお約束の長蛇の列。
作務衣を来た係員の方(後で聞いたらお茶子さんと呼ぶらしい)の誘導が絶妙で、
並んで待つのもあまり苦にならなかった。
だって、ジョークを挟んだ口上を述べながら、トイレまで誘導してくれるんだもの。
見上げたサービス精神!

私達が二階の「竹席」につくと間もなく開演。

この平成中村座、座席が「松竹梅」になっていて、
これは普通の劇場でいうとこ
ろの「S・A・B席」なんだけど、
独特なのが「お大尽席」と「桜席」。

「お大尽席」は舞台が一番良く見渡せて、上げ膳下げ膳いたれりつくせりのタニマチ席で、
小屋の中にたった四席しかない。
舞台が一番良く見渡せると同時に、劇場内の他のお客さんからも注目の嵐。
さすがに「お大尽席」を押さえるだけあって、皆さん和服で正装し、
座布団の上で正座の姿勢が終始崩れることがなかったのは立派。

不思議なのが「桜席」。
なんと舞台の上の左右両脇に四席ずつ。
舞台の上なので、役者と同じ目線の高さで観劇する状態になり、
幕が引かれて舞台装置転換する時も、幕の中に「桜席」のお客さんは
すっぽり包み込まれていた。
決して他の席からは見られない舞台裏が見られるんだろうな~。
実は「お大尽席」より羨ましかったりして。

コクーン歌舞伎でおなじみ串田和美さんの演出で、
序幕~二幕まではアドリブも随所に挟み、軽妙な感じで展開。

幕間。
飲み物を買いに下へ降りていったら雨が降っていた。

そして終盤、大喜利。

二幕の最後で殺された「法界坊」(♂)と「野分姫」(♀)は現世への怨念を強く残して死んだ為、
両性具有の「合体霊」になってしまう。
勘三郎が女形で登場し可憐な舞を踊るが、徐々に「合体霊」の本性を現していく様は圧巻。
人の手で持ち上げられた畳二畳ほどの戸板の上で、橋之助と大立ち回りを演じ、
蜘蛛の巣に張られた赤い綱の上にダイビング~!!
見せ場の連続で「中村屋!」の声が客席のあちこちから掛かる。

客席の興奮が最高潮に達し、背景の書割がめまぐるしく切り替わる。
「あれ~?仮設にしてはずいぶん奥行きの深い舞台だなぁ。」と思った瞬間。
舞台の壁が取り外され、そこにはライトアップされた浅草寺の境内が!
驚きの演出に客席がどよめく。
雨に洗われた浅草寺境内を借景に、劇場に流れ込む冷えた空気。
虚実の狭間の空間に、役者も、観客も、今一緒に存在しているリアルな感覚。

歌舞伎では普通は行わない、でもコクーン歌舞伎ではおなじみの
スタンディングオベイションがあったのもうれしかった。
この日、ひとりひとりの座席の上に配られた、中村座の旗。
皆で振って役者一人一人の熱演に精一杯の賛辞をおくる。
この旗には、来年も中村座で皆と再会ができますように、との願いもこめられているのだ。

力いっぱい振り続けてしわくちゃになってしまった旗。
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「時」「場所」「人」が一瞬重なって一期一会が生まれる。
今日このときと全く同じ舞台というものは、二度と経験することはできないけれど、
それでも未来の再会を祈念せずにはいられない。

ところで、今日浅草寺でひいたおみくじは「大吉」。
浅草寺のおみくじは結構な確率で「凶」が混じっているから、
ちょっとどきどきしながらおみくじを引く。
考えてみたら、年初初詣で引いたおみくじも「大吉」だったし、
今年は「大吉」に始まり「大吉」に終わったということなのかなぁ?
にしては、怒ったり泣いたり結構波乱の一年だった気がするけれど、生きてりゃそれも当たり前。
それでも一年完走できたという事は、やっぱり強運だったのかもしれない。

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コメント

お邪魔してます
クリスマス仕様になっていてビックリした~
いいね別にクリスマス何があるわけでないけど気分だけでもささやかに明るくなるね

日々楽しんでいますね~歌舞伎なんて非日常的で楽しめそうだよね
私以前浅草寺で元旦に凶を出してこのままじゃ帰れないともう一度やり直したのも凶出たんだよ二回連続凶もある意味すごい確率かも…て勝手に納得したの思い出したよ

投稿: ホストの見分けの付く女 | 2008年12月 3日 (水) 20時42分

ホストの見分けの付く女さま


浅草界隈が江戸情緒の残っている場所だから、
劇場に入る前も気持ちが盛り上がるし、
芝居見終わって出た後も余韻が楽しめるんだよね。


同じ日に二回連続「凶」って
やろうと思ってもなかなかできない偉業(笑)
逆に強運というか、いろんな意味で「引き」が強そうな感じ。

投稿: GANKO | 2008年12月 4日 (木) 08時51分

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